【講師紹介】歌は、一番簡単そうで一番難しい、究極のアコースティック楽器

こんにちは!いえオトMagazine編集部です!

いえオト講師のミュージシャンにインタビューする「講師紹介」。
第5回目は、ボーカルの講師である出島 陽子(でじま ようこ)さんに話を聞きました!

バークリー時代の話や、歌うことの魅力について教えてもらいましたので、ぜひお読みください!

出島 陽子(でじま ようこ)

2003年Berklee College Of Music入学2006年卒業。Jazzを初めとする色々な音楽を学ぶ。大きな出会いはLisa Thorson。歌うことの深さや強さを教えてもらう。
ジャズやポップスをルーツに様々なアーティストとコラボやレコーディングなど、シンガーとしての活動を重ね、2014年には絵本のような感覚で聴き進める独自の世界をつめ込んだアルバム「トリのおはなし」をリリース。

いつも歌っていた幼少時代

―歌を始めたきっかけを教えてください!

そもそも“始めた“というつもりはなく、幼稚園の頃からいつもところ構わず歌っている女の子でした。
カセットテープを手にして、録音しては消して、また録音して、みたいな…(笑)

いつも歌っていた幼少時代

-では、バンドやライブなど具体的な活動はいつ頃から始めたのでしょうか?

勉強の中でも言葉を学ぶことに興味があったので、東京女子大学文学部に進学し、江戸文学を専攻していました。
並行して早稲田のジャズ研に所属してボーカルとしてバンド活動などを始めました。

-江戸文学とジャズ!それはまた興味深い組み合わせですね…!

確かに(笑)
実は、本当はロックのサークルに入ろうと思っていたのですが、その部室にたどり着く手前で熱い勧誘にあってしまい、つい足を踏み入れたのがジャズ研の部室で、そのまま勢いで入部してしまいました。
ジャズのことは何も知りませんでしたが、そこから聞くようになりました。

バークリーに飛び込みで入学の仕方を聞きに行った

―バークリー音楽院への留学について教えてください

大学の夏の交換留学プログラムでボストンに行きました。
ある日1人で散歩していたらバークリーがあり、海外の音大の存在を初めて知ります。

その留学を通して、同世代の子達とカタコトでコミュニケーションを取れたことが嬉しく、文化を超えて人間は同じだということに感動しました。特に大好きな音楽は、会話をしている以上に深いところで繋がれるように感じ、人種、国境の壁も超えて通じ合える不思議な力があると思いました。
それが大学2年生の時で、そこから本格的に歌をやっていこう、音楽を学びたい!と思い、独学で勉強を始めました。
紙にピアノの絵を書いて、ドレミファソラシド、みたいな(笑)

その後改めてボストンに1人で行き、バークリーの事務局へ入学の仕方を聞きに行きました。
受付のおじさんには相手にされず、「マドンナの推薦状をもってきたら入学させてやるよ!」なんて言われ、かなりバカにされていたと思います(笑)

その後日本に戻り、色々な情報も集めて、プロのスタジオミュージシャンに推薦状を書いてもらうなどし、半年後にまたボストンに行きました。

事務局のおじさんが顔を覚えてくれていて、その場で英語の推薦状を書いてくれました。入学前に夏の5ウィークプログラム(※)を受講することを条件に入学を許可してくれました。きっとやる気が伝わったのかなと思います!

※5ウィークプログラム…バークリー音楽院が開催する、総合的な音楽力をつけるための五週間の夏期講習。実技、理論、アンサンブルなど様々なスケジュールが組まれます。

バークリーに飛び込み

歌は、言葉にならないような感情を言葉にすることが魅力

―バークリーで特に印象に残ったレッスンはありますか?

大学卒業後、無事にバークリー音楽院へ留学することができました。
そこでLisa Thorsonという歌の先生に出会いました。

過去に無理な練習や生活のせいで声帯を壊した経験もあったのですが、その先生が病院の先生を紹介してくれたり、体の使い方を一から教えてくれて、悩んでいたポリープも治りました。

集中した中で身体の力を抜いて歌うこと、ありのままの自分で歌うことの大切さを学びました。

Lisa Thorsonと

―出島さんにとって歌の魅力とはなんでしょうか?

言葉にならないような感情を言葉にする、というのがとても魅力的だと思います。
声は、人間そのものの体を使う楽器なので、良くも悪くも人間性や感情がそのままさらけだされ、音になります。

体をコントロールすることはとても難しいことですが、それができた時に本当に美しい楽器になり得る、というのが魅力であり深みを感じます。
一番簡単そうで一番難しい、究極のアコースティック楽器なのでは、と。

数ある楽器の中で、唯一“歌詞“というものを扱えることで、歌にしか表現できない景色があり、それがとても夢のあることだと思います。

ギター講師の進藤さん(左)と。ライブで一緒に活動しています。

歌を通じて人生が豊かになってほしい

―いえオトのレッスンを通じて、実現して欲しいことはありますか?

人それぞれ様々な事情、状況があるので、本格的だとか、趣味だとか関係なく、まずは音楽が皆さんの日々に寄り添う温かいものになりえることを伝えれたら嬉しいです。

目に見えない楽しさの詰まったものなので、音楽を通じて人生が豊かになり、歌を通して、色とりどりの景色を感じてもらいたいです。

歌はその人らしさを滲ませるような素晴らしいものだと思います。
生まれ持った1人1人の声を真っ直ぐ音楽に出来るように、自由に表現出来るように、それぞれにあった身体の使い方で教えていきたいと思います。

音楽が皆さんの日々に寄り添う温かいものに

【編集後記】
いかがだったでしょうか?
バークリー時代の行動力や熱量には驚かされましたね!ただ、こういう熱量があってこそ今に繋がっているのだなと感じます。
そして歌うことは”一番簡単そうで一番難しい、究極のアコースティック楽器”という出島さん。楽器の弾き方を覚えるのと同じように、まずは身体の使い方を覚えることがベースとして大切なのだと思いました。

そんな出島さんから、いえオトのオンラインレッスンでボーカルを習ってみませんか?
もちろん事前に悩みなどありましたらご相談に乗りますので、お気軽にお問合せください!

出島さんのライブ動画はこちらから。
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